ヨークタウン型航空母艦
アメリカ海軍航空母艦。同型艦にヨークタウン、エンタープライズ、ホーネットがある。
ヨークタウン型は、1933年度計画でヨークタウンとエンタープライズの2隻が先に建造された。
この時点で、米海軍の保有する空母はレキシントン型2隻(公称は各33,000t)、レンジャー(14,500t)、ヨークタウン型2隻(各19,800t)の合計120,100tとなり、条約で認められた保有制限135,000tまで、残り14,900tとなった。そのため、残された保有枠ではヨークタウン型を3隻同時に建造することはできず、代わりにヨークタウン型の縮小型ともいえる14,700tのワスプが建造された。
そして条約失効後、1938年度計画でホーネットが建造されたが、その際、艦橋構造の一部改良、舷窓の減少など、若干の改良が加えられ、排水量が100トン程度増加している。
ヨークタウン型の格納庫はレンジャーでも採用された開放式とした。開放式格納庫とは、船体上部の強度甲板上に飛行甲板を設け、その飛行甲板下を格納庫としたもの。格納庫の側面は吹き抜け構造で、それをシャッターなどで覆っていた。この格納庫の利点は、搭載機や物資の搬入出に便利であることと、被弾時に格納庫内で爆発しても、爆風が開口部から拡散されるので、被害が艦全体に広がる可能性が減少することなどであった。
艦橋は煙突と一体化した構造となり、後のエセックス型の基礎となる特徴を備えていた。
カタパルトは3基装備され、2基は飛行甲板前部に、もう1基は格納庫前部に横向きに設置された。格納庫のカタパルトは迎撃機の急速発艦用のもので、使用時はシャッターを開放して使用するというものであったが、あまり実用的ではなく大戦後期には撤去された。そのため、ホーネットだけは新造時から飛行甲板前部の2基のみを装備していた。
ヨークタウン型のうちヨークタウンはミッドウェー海戦で、ホーネットは南太平洋海戦で戦没したが、エンタープライズは最後まで活躍し、米海軍の最高殊勲艦として称えられた。
なお、ヨークタウン型3隻が揃って戦闘に参加したのはミッドウェー海戦だけであった。