祥鳳
日本海軍航空母艦。
祥鳳は潜水母艦剣埼改造の瑞鳳型航空母艦の2番艦。
日本海軍で最初に喪失した空母。
ワシントン条約で空母の保有量を対米英比6割に制限され日本海軍は、この戦力差を埋めるべく平時は条約制限外の給油艦や潜水母艦として運用、戦時には短期間で空母に改造できる軍艦を計画した。
祥鳳の前身である剣埼もその一つで、平時は高速給油艦として、戦時には空母に改造可能なように計画された。
剣埼は1934年12月3日に横須賀工廠で起工、1935年6月1日に進水する。その後、工事がほとんど進行しなかったが、これは艤装中に条約失効が予想されたため、給油艦とせず空母として工事を進めるか検討していたからである。
検討の結果、空母への改造期間短縮を図るため、昇降機や格納庫などの空母として必要な設備を多く搭載することにした。しかし、そのために補給用の重油搭載量が減少し、給油艦としての意味がなくなったことから潜水母艦として工事を進めることを決めた。1938年9月15日に工事は再開され、1939年1月15日に竣工した。
1940年11月15日、空母への改造に着手。改造は3ヶ月程度で完了する計画であったが、実際には1年程度を要した。これは主機として採用したディーゼル機関の故障が多発し、予定の性能を発揮できなかったため、代わりに陽炎型駆逐艦用の機関を取り付けるのに時間を要したからであった。
要目改装 完成時 | 排水量 | 11,200t |
全長 | 205.5m | |
全幅 | 18m | |
出力 | 52,000馬力 | |
速力 | 28ノット | |
航続力 | 18ノットで7,800海里 | |
兵装 | 40口径八九式12.7cm連装高角砲4基 九六式25mm3連装機銃4基 | |
搭載機 | 常用27機+補用3機 | |
飛行甲板 | 長さ180m×幅23m |
搭載機定数(常用機)
1942年4月~ | 艦戦×16、艦攻×12 |
艦歴
1934年12月3日 | 高速給油艦剣埼として横須賀工廠で起工 |
1935年6月1日 | 進水 |
1938年9月15日 | 潜水母艦改造に着手 |
1939年1月15日 | 竣工、第2艦隊第2潜水戦隊旗艦 |
1940年11月15日 | 空母への改造に着手 |
1941年12月22日 | 「祥鳳」と改名して第1航空艦隊第4航空戦隊に編入 |
1942年1月26日 | 改造工事完了 |
1942年2月~4月 | ラバウルへの航空機輸送任務に従事 |
1942年5月7日 | MO攻略部隊に所属して珊瑚海海戦に参加、米艦上機の雷爆撃を受けて沈没 |
1942年5月20日 | 除籍 |
歴代艦長
1941年10月1日~ | 伊沢石之介大佐 |