昭和二十年八月二十一日
奉勅 軍令部総長 豊田副武
小沢海軍総司令長官ニ命令
- 一、
- 海軍総司令長官ハ指揮下航空機ノ飛行ニ関シ左記制限ヲ行フベシ
記
- （一）
- 八月二十二日零時以後已ムヲ得ザル輸送以外ノ飛行ヲ禁止ス
- （二）
- 八月二十四日一八〇〇以後一切ノ飛行ヲ禁止ス
- 二、
- 細項ニ関シテハ軍令部総長ヲシテ指示セシム
昭和二十年八月二十一日
奉勅 軍令部総長 豊田副武
小沢連合艦隊司令長官
戸塚横須賀鎮守府司令長官
寺岡第三航空艦隊司令長官
草鹿第五航空艦隊司令長官
前田第十航空艦隊司令長官
杉山佐世保鎮守府司令長官ニ命令
- 一、
- 連合国軍ハ八月二十六日以降厚木飛行場、横須賀軍港及鹿屋方面ニ逐次進駐ヲ開始セントシアリ
- 二、
- 大本営ノ企図ハ右連合国軍ノ進駐ヲ円滑ニ実施セシムルト共ニ進駐地域付近ノ治安維持ニ遺憾ナカラシメ以テ我ガ信義ヲ中外ニ宣明スルニ在リ
- 三、
- 連合艦隊司令長官、横須賀鎮守府司令長官、第三航空艦隊司令長官、第六艦隊司令長官及第十航空艦隊司令長官ハ別途甲地域内所在指揮下戦闘兵力ヲ八月二十七日一八〇〇迄ニ、但シ厚木方面所在戦闘兵力ハ八月二十四日一八〇〇迄ニ夫々武装ヲ解キタル上甲地域外為シ得レバ別途乙地域外適宜ノ位置ニ移駐セシムベシ
止ムヲ得ザル事由ニ依リ期日迄ニ移動不能ナル部隊ハ武装ヲ解キ敵ト接触ヲ避クル如ク成ル可ク一地ニ集結セシムベシ - 四、
- 佐世保鎮守府司令長官及第五航空艦隊司令長官ハ別途丙地域内所在指揮下戦闘兵力ノ武装ヲ解キタル上八月三十日一八〇〇迄ニ右地域外適宜ノ位置ニ移駐セシムベシ
- 五、
- 前項各司令長官ニ対シ右兵力移動後ノ治安維持並ニ兵器、需品、軍事施設等ノ監視保管ノ為所要最小限ノ兵力ニ憲兵的任務ヲ与ヘ残置スルヲ得シム
- 六、
- 八月二十四日一八〇〇以後特ニ定ムルモノノ外航行中以外ノ艦船ノ航行ヲ禁止ス
- 七、
- 細項ニ関シテハ軍令部総長ヲシテ指示セシム
昭和二十年八月二十二日
奉勅 軍令部総長 豊田副武
小沢連合艦隊司令長官
杉山佐世保鎮守府司令長官
戸塚横須賀鎮守府司令長官
田結舞鶴鎮守府司令長官
金澤呉鎮守府司令長官
岡大阪警備府司令長官
原第四艦隊司令長官
宇垣大湊警備府司令長官
山口鎮海警備府司令長官
寺岡第三航空艦隊司令長官
醍醐第六艦隊司令長官
前田第十航空艦隊司令長官
大森第七艦隊司令長官
草鹿第五航空艦隊司令長官ニ命令
- 一、
- 大本営ノ企図ハ為シ得ル限リ速ニ我軍ノ武装ヲ自発的ニ解除シ以テ進駐シ来ル連合国軍ト無用ノ紛争ヲ避ケ我ガ信義ヲ中外ニ宣明スルニ在リ
- 二、
- 連合艦隊司令長官、佐世保、横須賀、舞鶴、呉各鎮守府司令長官、大阪、大湊、鎮海各警備府司令長官、第三、第五、第十各航空艦隊司令長官、第四、第六、第七各艦隊司令長官、第一護衛艦隊司令長官ハ既令ニ依ルノ外速ニ指揮下全兵力ヲシテ還納其ノ他適宜ノ形式ニ依リ自発的ニ其ノ武装ヲ解除セシムベシ
- 三、
- 前項各司令長官ハ武装解除後ノ治安維持並ニ兵器需品、其ノ他軍事施設等ノ監視保管ニ任ゼシムル為所要最小限ノ兵力ニ憲兵的ノ任務ヲ付与シ所要ノ武装ヲ保持セシメ之ヲ存置スルコトヲ得之ヲ海軍保安隊ト称セシム
- 四、
- 細項ニ関シテハ軍令部総長ヲシテ指示セシム
昭和二十年八月二十二日
奉勅 軍令部総長 豊田副武
草鹿南東方面艦隊司令長官
大川内南西方面艦隊司令長官
福田支那方面艦隊司令長官ニ命令
- 一、
- 南東方面艦隊、南西方面艦隊、支那方面艦隊各司令長官ハ速ニ全面的停戦ヲ指導スベシ
- 二、
- 武装解除其ノ他爾後ノ処理ハ極力之ガ促進ニ努ムベシ
実施ノ要領ニ関シテハ現地ノ事情ニ即し陸軍ト密ニ協同、所在連合国軍最高指揮官ト折衝スベシ - 三、
- 撤兵ニ関シテハ後令ス
- 四、
- 細項ニ関シテハ軍令部総長ヲシテ指示セシム
昭和二十年八月二十四日
奉勅 軍令部総長 豊田副武
小沢海軍総司令長官ニ命令
- 一、
- 海軍総司令長官ハ大海令第五十一号所定ニ拘ハラズ終戦用務遂行上特ニ必要ナル場合ハ連絡輸送用トシテ指揮下航空機ノ一部ヲ使用スルモノトス
- 二、
- 細項ニ関シテハ軍令部総長ヲシテ指示セシム
昭和二十年八月二十七日
奉勅 軍令部総長 豊田副武
草鹿南東方面艦隊司令長官
大川内南西方面艦隊司令長官
小沢連合艦隊司令長官
福田支那方面艦隊司令長官
福留第十方面艦隊司令長官
志摩高雄警備府司令長官ニ命令
- 一、
- 南東方面艦隊、南西方面艦隊、支那方面艦隊、第十方面艦隊、高雄警備府各司令長官ハ指揮下全部ノ全面的停戦実施ノ時機ヲ報告スベシ
右時機ヲ以テ右記各司令長官並ニ其ノ指揮下部隊ノ作戦任務ヲ解ク - 二、
- 第十方面艦隊及高雄警備府各司令長官ハ爾後ノ終戦処理ニ於テハ特ニ定ムルモノノ外夫々南方軍総司令官及第十方面軍司令官ノ指揮ヲ受ケ実施スベシ
- 三、
- 細項ニ関シテハ軍令部総長ヲシテ指示セシム
昭和二十年九月一日
奉勅 軍令部総長 豊田副武
米内海軍大臣
豊田軍令部総長
草鹿南東方面艦隊司令長官
大川内南西方面艦隊司令長官
小沢連合艦隊司令長官
杉山佐世保鎮守府司令長官
鮫島第八艦隊司令長官
戸塚横須賀鎮守府司令長官
田結舞鶴鎮守府司令長官
福田支那方面艦隊司令長官
金澤呉鎮守府司令長官
岡大阪警備府司令長官
原第四艦隊司令長官
福留第十方面艦隊司令長官
宇垣大湊警備府司令長官
山口鎮海警備府司令長官
柴田第一南遣艦隊司令長官
醍醐第六艦隊司令長官
前田第十航空艦隊司令長官
大森第七艦隊司令長官
草鹿第五航空艦隊司令長官
山田第三航空艦隊司令長官
久保第二遣支艦隊司令長官
伍賀海南警備府司令長官ニ命令
- 一、
- 爾今連合国最高指揮官ノ指示ニ基ク政府大本営布告一般命令ハ海軍ニ対シテハ軍令部総長及海軍大臣ヲシテ発布セシム
- 二、
- 前項一般命令中海軍ニ関スル事項ノ実施ノ細目ハ軍令部総長及海軍大臣ヲシテ指示セシム